2026.06.27
在宅医療栄養療法

不登校は治せる! 【動画④ストレスとコルチゾール】

https://youtu.be/aSKuREk7Jwo

*****本動画の概要*****
コルチゾールとは?

不足ではエネルギー不足や食思不振、日内リズム喪失をきたす

どうしてコルチゾールが足りなくなるのか?

 強いストレスが持続的にかかり続ける

 質的栄養失調

副腎皮質機能低下症とは?

⚫1 ストレス社会

○我々の生活の中にはたくさんのストレスが潜んでいます。

一般的にストレスというと精神的なものを指すことが多いですが、暑さ・寒さや疲労など、身体的なものも同様にストレスです。

○数十万年前の我々の祖先が抱えていたストレスの多くは、大型の肉食獣に襲われるなどの短時間の強いストレスだったでしょう。しかし現代、人と人との繋がりが増えるに従って、人間関係とお金が我々のストレスの大部分だと言われるようになりました。それらの多くは短時間の強いストレスではなく、長時間かかり続けるストレスです。しかるに、我々の脳は従来の短時間の強いストレスと、長時間かかり続ける生活上のストレスとを区別することが出来ず、ずっとライオンに襲われているようなストレス状況にあるのだといわれています。

○日頃診療していて、最近は特に「繊細な」気質の方が増えたなと感じます。周囲の目や人の評価が気になって仕方がない、だから人の中に入っていけない、という方は本当に多いです。その中には、いわゆる神経発達症と診断される方も含まれると思います。そうした方々は、人間関係のストレスを殊更に感じやすく、容易に副腎皮質機能低下症にまで至ってしまうのではないかと考えています。

○また、そのような認識はあまりないと思いますが、血糖値が上がったり下がったりを繰り返すことも、コルチゾールが動員される大きな要因であり、広い意味ではストレスであると言えます。治療に当たっては、ストレスの除去が大前提として必要になりますが、血糖値を安定化させることも、取り組みの一つとして、とても大事です。


⚫2 ストレス応答のHPA axis

○朝起きられない、血圧値が下がって目まいがする、食欲がない、低血糖症になる、これらの症状があれば副腎皮質機能低下症と臨床診断できると前に述べました。この時に不足しているホルモンをコルチゾール、別名を副腎皮質ホルモンといいます。外からのあらゆるストレスに対抗する役割を担っています。

○我々がなんらかのストレスを感じると、脳内の精密センサーであり司令塔でもある視床下部から、ストレスに対抗せよという命令が発せられます。この命令を受けた下垂体は、副腎皮質にさらに命令を出し、抗ストレスホルモンであるコルチゾールを作らせるのです。この命令系統を、HPA axisといいます。

○HPA axisには、働き過ぎを抑えるためのフィードバックシステムがあります。ずっとコルチゾールが出っぱなしにならないように、コルチゾールの分泌そのものが、視床下部や下垂体にブレーキをかけるということです。

○仮説ではありますが、ストレスに負けて副腎皮質機能低下症を来してしまうというのは、このブレーキ、視床下部や下垂体に対するネガティブ・フィードバックが、持続的にかかってしまっている状態であると考えています。

⚫3 コルチゾールのはたらき

○コルチゾールは、体内に数十あるとされるホルモンの中で最も重要で、生存に不可欠とされるホルモンです。エネルギーの産生を高めて元気を出す、代謝を高めて食欲を出す、日内リズムを作る、免疫機能を調整する、血圧や血糖値を上げる、などの働きがあります。

○朝起きられない、食べられない、動けない、昼夜が分からなくなる、低血糖になる、などの症状はまさにこのホルモンの欠乏症状と考えれば、とてもシンプルに理解できます。

⚫4 サーカディアンリズム

○コルチゾールの分泌には明瞭な日内変動があります。メラトニンと並んで代表的な、サーカディアンリズムに則ったホルモン分泌といえます。分泌のピークは午前6時から8時の間にあることが多いようです。また、覚醒して身体を起こす、ことがトリガーとなって、その30分から45分後に強い分泌反応があります。

○生活リズムが失われて、「10時、11時にならないと起きられないんだ」と訴える方が多いですが、身体を起こすことがコルチゾールの分泌を刺激するわけですから、なんとか無理にでも、早朝に一旦身体を起こさねばならないわけです。

⚫5 背景にある体質とは 確率的親和力

○同じストレスを受けていても、副腎皮質機能低下症までになってしまう人と、なんとか堪えてやり過ごせる人とがいます。この違いはどこから来るのでしょうか?生まれ持った体質やストレス耐性、普段食べているもの、運動習慣、などなど、考えられる要因は多岐にわたりますので、一概には言えません。

○コルチゾールは副腎皮質で、コレステロールを原材料に何段階かの酵素反応を経て合成されます。コルチゾールが十分に分泌されるとは、言い換えれば、基質であるコレステロールが十分にあり、かつこの酵素反応が滞りなく進む、ということです。

○ここで、オーソモレキュラー栄養療法の根本原理とも言える、確率的親和力について説明しておこうと思います。図の中で、大きな丸が酵素タンパク質、小さな鍵が、これを十分に働かせるための補酵素です。左の酵素の持つ鍵穴は鍵とぴったりなので少量の鍵で十分に働くのですが、右の酵素の鍵穴は変形していて、たくさんの鍵を試みる必要があります。この鍵穴の形は生まれつき決まっているので、同じ酵素が働くために、ある人は1の量で十分な補酵素が、他のある人には30という量必要だということが起こるわけです。
○このように補酵素の必要量が異なることを、確率的親和力と呼んでいます。確率的親和力には、数十倍の個人差があるとされています。これを一言で表現すれば、生来の体質ということになります。

⚫6 質的栄養失調

○ホルモンの材料はコレステロールです。これが十分足りていることを前提に、それらからコルチゾールを合成するには、充分な量の補酵素が必要です。
○補酵素となるのはビタミンB群とミネラルです。これらは赤身の肉や魚介類、大豆製品やナッツ・ゴマなどの種実類に豊富に含まれます。

 食生活の内容によっては、これらが元より足りない方がいます。例えば、パンが大好きでパンばかり食べていますという方を見かけます。エネルギーは足りていて空腹は感じていなくても、質的には栄養失調状態にある可能性があります。
 そういう方は容易にストレスに負けて、ホルモンの不足を来しやすいということです。

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